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poco a poco

すこしずつ、頑張ろうってことです。

あるいは恋に似た

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最近、同性愛だったり性同一性障害だったり性的マイノリティの要素を含む映画が多いような気がする。最近、と言っても私はほんとに最近映画を観始めた人間なので別にそんなに最近のことでもないのかもしれないけれど…単純に私が最近「同級生」や「キャロル」、「リリーのすべて」を観たってだけの話ではある。

「リップヴァンウィンクルの花嫁」という映画を観て、思った。映画の中に限ったことかもしれないが、女性同士はわりと簡単にキスしてしまう気がする。別に同性愛に至らなくても。女性同士の友情は、男性同士よりも密接というか距離が近いような、そんな気がするのだ。

若干ネタバレっぽくなってしまうが、「リップヴァンウィンクルの花嫁」の中で、主人公と女友達(友達と言っても出会い方はあんまり普通ではないし友達というのが妥当なのかは微妙なところでもある)がウェディングドレスを着て寝転がった状態でキスしたり「愛してる」とか言ったりしているシーンがある。と、これだけと書くとああガールズラブ映画なのねと思われるかもしれないが全然そういう話ではないし、あくまで友情の範囲の行為であると私は見ている。「愛してる」と言ったからといって性欲絡みの愛に限定されるわけではないので、そういう感情があるからとかではなくもちろん、こういう行為に至るにはそれなりの背景がそれぞれの人物にある。もっと広い意味での「愛してる」だと思う。そのシーンを観たときは、個人的にそこまで違和感とかは感じなくて、でもこれが男性同士だったら果たしてこういう風に友情の範囲でキスまでしてしまうだろうか?そしてそれがわりと違和感なく映るだろうか?と思った。同性愛に対する耐性は人それぞれなので普通に私は観れてしまうかもしれないが(そもそも自発的に「同級生」観に行ってる時点で)、まず男性の場合は友情の範囲でキスまで描かないんじゃないかとはやっぱり感じる。なんとなく、女性の場合だとキスしただけじゃガールズラブだとすぐ言い切れない気がする。まあそれはわたしがまず同性であり、女の子同士の友情というものに対して近い立場にいるし、いろいろな友情の形を広く受け入れやすいのかもしれない。

いくつか観た、ガールズラブちっくな映画について思ったことを書いてみる。

 

「blue」(2001)

魚喃キリコさんの漫画が原作にあたる映画。わたしは先に原作を読んで観た。平面で見ていたものを立体で見ると、もちろんキスシーンとかもあるわけだけど、なんか感じるものが違った。当たり前だけどリアルさにより漫画で見ていたより恋愛っぽくなってしまっている印象だったし、それがちょっと残念だった。物語は、高校生女子が同級生(女子校)のことを好きになってその嫉妬に苦しむという感じのもので、作中で「好きってそういう意味で好きなの?」「うん」みたいな会話もするのでその「好き」は恋愛的にという意味で自覚しているんだろうこともなんとなくわかるんだけど、個人的にはガールズラブ漫画だと思わなかったし、そっちに振り切って解釈しないことに良さがあると思っている。男子でもそういう感情があるのか定かではないし女子がみんなあるとも限らないけれど、友達に友情としての片思いをすることってあると思う。「あの子に1番の友達だと思われたい」「わたしはあの子を1番の友達だと思っているし、それに応えてほしい」みたいなことを、わたしはわりと思っていたことがあるので、「blue」で描かれているのはそういう感情なのであり、恋ではなく恋に似た重みをもつ友情なのだと感じた。実際、思春期は同性へのあこがれを持ちやすくそれを恋愛感情だと勘違いしやすい時期だ、みたいなのをどこかでみたことがある気がする。だから主人公が同級生のことを「そういう意味で好き」だと自覚していても確実にそういうわけじゃない気がするし、そしてこの作品においては高校生ということで、完全にガールズラブに振り切って解釈しないほうが脆さとか美しさとかがより感じられるんじゃないかなと私は思う。のでそういう風には解釈しないし、やっぱりそれに近い友情、近い距離感を女子は持ちやすい生き物なんじゃないかという話。

 

「キャロル」(2016)

わりと最近映画館に観に行ったけれど、この映画は同性愛の話だ。というか友人に勧められて、そういう認識で観に行った。物語としては、簡単に言うとテレーズとキャロルという女性二人が恋に落ちる話で、わりとするところまで同性愛している感じであった。それぞれテレーズは若干押しの強い彼氏にうんざりしつつあって関係もマンネリ化している状態、キャロルは離婚調停中で夫と上手くいっていない状態であり、その二人が出会い、仲良くなり、一緒に旅に出る。(記憶あいまいなので若干違うかもしれないけど汗)。その旅先で二人はお互いへの思いが爆発するわけだが、そこまでの話の流れを観て、わたしは「ここでレズに発展しなきゃいけない必要性って特にないよな?」と思った。わたしの解釈としては、女性二人で旅に出ることは男性からの逃避であり、同性と一緒にいることの居心地の良さを求めている、というのはとてもありがちな感じがする。女友達と恋愛話をしたりするあの楽しさなども似たようなものだと思う。あとこれはわたしの主観でしかないかもしれないが、失恋して同性の友人と二人傷心旅行、みたいなことをやりがちなのは圧倒的に女性のような気がする。そういうストーリーの映画って多そう(主観)。それとこれは余談だけれど「恋も仕事もうまくいかないからとりあえず旅してみた!新しい土地で自分探し!」みたいなストーリーの映画もわりと見る気がするのだがほとんど主人公は女性である気がする。女性って逃避しがちな生き物なのかもしれない。話は「キャロル」に戻るけれど、二人で旅に出るあたりまでとても自然な流れ、一応同性愛の物語だと思って観ているが別にそういう関係じゃなくてもありそうな流れだなあ、と思って観ていた。でもキャロルとテレーズは同性愛に発展してしまうので「じゃあ同性愛に発展するか否かの境目は何だろう?」と考えた。とりあえずわたしだったらこうならない気がしていた。普通におやすみーと言ってベッドにもぐりこんだだろう。考えてみて、この作品における結論としては単純に「キャロルとテレーズだったから」になるだろうし、もっと言えば「キャロルが魔性だったから」だろうなと私は思うことにした。そもそもキャロルは似たような経験が過去にあったし、立ち居振る舞いからして妖しい魅力がとてつもないので、たぶんキャロルじゃなければテレーズはこうなっていなかっただろうなという気がする。だからこそタイトルが「キャロル」なのかなあと個人的には思っている。というわけで、女性同士で居るからこその心地よさってあるよねと思ったのと、女性は一緒に逃避旅行したりなど関係性の距離感が近めなのかなって思ったという話。

 

私自身女性であり男性のことなどは詳しくないので、偏っているかもしれないけれどわたしなりに感じたことを書いてみた。ジェンダーとか、男性にはこういう傾向があるとか女性にはこういう傾向があるとか、その辺りもわりと関心があるので、物語からそういうものを汲み取っていくことができたら面白いだろうなと思う。

 

同性愛とかについては、そういうものがまずエンターテインメントとして受け入れられることで現実社会でも理解が進めばいいなって、勝手に一個人として思ってる。わたしは「同級生」を読んでだいぶ偏見がなくなったし、むしろ男女の恋愛よりピュアだなと思った(もちろん作品によるけど少なくともこの作品は)。アニメ映画版も漫画作品の世界観が崩されてなくて(特に作画)さわやかで甘酸っぱくて美しくてよかったと思うし、こういう映画を見ると原作が愛されてるなあ大切にされてるなあと思えて良い。BLについてはいつか機会があったときにでもまた(笑)とりあえずこの辺で。

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